- 毒親育ちの意味を知りたい
- 自分が毒親育ちなのか確認したい
- 毒親育ちとわかったときの対処方法を知りたい
毒親という言葉が知られるようになって、「自分は毒親に育てられたんじゃないか?」と考える人が増えてきました。しかし、親を毒親と認めるのをためらって、現実を受け止められないと悩むケースは非常に多いです。
私は、30歳のときにみずからの意思で「自分の親は毒親だ」と確信しました。おそらく、きっかけがなければ気づけなかったと断言できます。
そこでこの記事では、私が開催するセミナー参加者のお話も参考にして、毒親育ちの定義、毒親育ちの特徴を解説します。
この記事を読み終えると、自分が毒親育ちか判断でき、自分自身の言動を客観的に理解するきっかけを作ることができます。
毒親育ちは毒親の悪影響を受けて大人になった子供
毒親育ちとは、子供の人生を支配したり子供を傷つけたりして、子供にとって「毒(有害)」になる親に育てられた子供のことです。
毒親は、スーザン・フォワードさんの著書「毒になる親 一生苦しむ子供」(講談社+α文庫、玉置悟訳)から生まれた俗語でと言われています。毒親育ちは、その派生語となります。
ただし、今のところ、毒親育ちの定義はざっくりしています。家庭環境や毒親の毒の傾向が違うので、定義を決めづらいのです。
そこで本ブログでは、あなたが幼少期から現在までに、下記のどれかひとつでも何回も経験した場合に「毒親育ちの可能性が高い」と定義します。
- 学校や職場などで人間関係の悩みが絶えない
- 自分に非がないことでも謝りグセがついている
- 親の言動に異論を唱えたら、ねじふせられる
- 親と話すたびに劣等感に悩まされ自己嫌悪に陥る
- 親の顔色をうかがって発言したり行動したりする
- 親の言動により、無気力、不安、恐怖がつきまとう
これだけだとわかりにくいので、次の項目にて毒親育ちの特徴を具体的に紹介します。
毒親育ちの特徴チェックリスト:7つ以上当てはまると毒親育ち濃厚説
毒親育ちの特徴は下記のとおりです。
- 特徴1:自己肯定感が低い
- 特徴2:どんなことでもがんばりすぎる
- 特徴3:責任感が強く我慢しすぎる
- 特徴4:相手の顔色をうかがいすぎる
- 特徴5:ネガティブ思考が強すぎる
- 特徴6:自己防衛をしすぎる
- 特徴7:依存しすぎる
- 特徴8:自分の殻に閉じこもる
- 特徴9:人とかかわることが怖すぎる
- 特徴10:好きなことに手を伸ばすのをためらう
特徴1:自己肯定感が低い
毒親の価値観を絶対と思い込んで、受け入れてしまうために自己肯定感が低くなります。
毒親は自分の価値観に反することを「悪」とか「間違い」と見なします。子供の良さに目を向けようとする発想がないので、子供は毒親の言動に一喜一憂せざるをえないのです。
その状況が長く続くと、子供は毒親を受け入れざるを得ません。毒親の価値観にとらわれて自信をなくし、自分の意見を言うのが怖くなる、つねに正解を求めるといったことをしがちです。
特徴2:どんなことでもがんばりすぎる
毒親に「認めてほしい」「ほめてほしい」という思いから、毒親が喜ぶであろうことに全力で取り組みます。
実際のところ、毒親は子供より優位な立場でありたくて、子供のやることなすことすべてに否定します。ですが、子供はそれに気づかず努力を続けるので、そのクセが抜けず、大人になってからもがんばりすぎる傾向があるのです。
がんばりが報われれば、達成感が得られて自信につながるかもしれません。ですが、周りと比べて「まだ足りない」とがんばりすぎに拍車がかかり、心身に支障をきたすこともあります。
特徴3:責任感が強く我慢しすぎる
毒親育ちは、自分を犠牲にしても周りが良ければそれでいい……という考え方が根付いています。
毒親が子供に教えることは「我慢」「忍耐」です。子供も親の顔色をうかがって自分の身を守ろうとするので、我慢も忍耐も自然と身についてしまうのです。
いつも周りの人を優先してしまうので、自分のことは後回し。それゆえに、自分の意見を言うのをためらったり、空気を読んで八方美人になったり、どんな問題も自力で解決しようとしたりします。
特徴4:相手の顔色をうかがいすぎる
毒親の攻撃から身を守るクセが抜けず、毒親育ちは毒親の顔色、言葉の一語一句、行動から読み取ろうとします。
毒親対策としてやってきたことが、裏目に出ているパターンです。人間関係を築くうえで、相手に配慮した言動をすることは求められることはあっても、過剰すぎてしまうのです。たとえば、つねに相手の許可を求めたり、相手の都合に合わせすぎて疲れたりということですね。
それゆえに、やりたいことがあってもあきらめたり、チャンスが来てもみずから手放す傾向があります。「あのとき✕✕しておけばよかった」と後悔して、自己肯定感が低くなる一因にもなっています。
特徴5:ネガティブ思考が強すぎる
毒親から考えや価値観を否定されすぎていて、周りの人に正解を求め、それに従いがちです。
毒親に育てられると、子供は失敗に対して過剰反応するようになります。自分の本心を押し殺して毒親のご機嫌取りに徹してきたために、自分のことを自分で考えたり、自分の意思で行動したりすることを苦痛だと感じています。
その根底にあるのが、「自分が責任を取りたくない」という本音です。トラブルが起きたりうまくいかなくても、誰かが決めたことなら責任転嫁できるし、不平不満を言えるし、自分を守れます。知らず知らずのうちに、子供も毒親と同じような言動をしていることがあるのです。
特徴6:自己防衛をしすぎる
毒親から自分の身を守ることに集中しすぎて、ちょっとした変化にも抵抗を感じやすいです。
毒親の顔をうかがってきたために感受性が豊かで、相手の感情をもろに食らいます。特に攻撃的な言動とネガティブな言動を受け取って、心身ともに疲弊してしまいます。同じ経験をしないよう対策するのも自然な流れですよね。
毒親対策としての自己防衛は、状況によって自己保身ととらえられて誤解を生むこともあります。謝りグセがつく、相手にマウンティングを取る、自分は悪くないと正当化する…など、毒親と似た言動をしていることもあります。
毒親の特徴について、詳しくは下記の記事で紹介していますのでご覧くださいね。
>> 毒親の特徴を解説
特徴7:依存しすぎる
毒親をはじめ、家族や親せきに大切にされた記憶が乏しい、またはないからです。
毒親は子供を格下の存在、能力のない存在と見なしているので、子供をぞんざいに扱います。それゆえに、子供は相手に心を開くまでに時間がかかり、それができた相手を手放したくないのです。
毒親の影響を受けたゆえに、自分で考えて行動することがとても苦手なのも影響しています。LINEなどで相手とのつながりがないと落ち着かない、相手を自分の思い通りにしたいといったことがあります。
特徴8:自分の殻に閉じこもる
毒親の攻撃から身を守るために、自分の殻に閉じこもり、自分の世界を作ろうとします。
幼い頃から毒親の攻撃にさらされ、手を差し伸べられることもありません。持ち前のがんばる精神で自力で乗り越えた経験があると、それを維持するように努めます。
独自のマイルールを確立していて、それ以外を認めない頑固な一面もあります。人の話を聞けない(聞くつもりがない)、自分の価値観を押し付けえるということがあります。
特徴9:人とかかわることが怖すぎる
人格形成のうえで毒親の影響を受けて、自分が誰かにとっての「毒」になっていないか不安でたまりません。
毒親に育てられると、特に結婚はハードルが高いです。自分が毒親になるリスクがあるし、家族というものに夢も希望も信頼がないし、良さを見出せませんよね。
学校や職場などでの人間関係においても、無意識のうちに相手と一線を引きます。毒親のように冷たくあしらわれたり、ぞんざいに扱われたり、嫌な思いをしたくないのです。傷ついてもいいように予防線を張ります。
特徴10:好きなことに手を伸ばすのをためらう
毒親が不機嫌になったりバカにするのを目の当たりにしてきて、好きなことに手を伸ばしたくても伸ばせずにいます。
好きなものを否定され続けると、好きなことをする楽しさが半減します。「こんなことやってもいいのかな…」と罪悪感を覚えるので、興味を失ってしまうこともあります。
現実にはかなわないことだと思い込んで、空想で楽しんだりします。自分の思いを伝えるのが苦手で、実現するために行動に起こす前にあきらめてしまいます。
まとめ:毒親の「毒」から解放されよう!
上記で紹介した「毒親育ちの特徴」とあなたの過去の経験を振り返って7つ以上当てはまる場合は、毒親育ちの可能性があることがわかるし、今後の対策も考えやすくなります。
最後にもう一度内容を確認してみましょう。毒親育ちの特徴は下記のとおりです。
- 特徴1:自己肯定感が低い
- 特徴2:どんなことでもがんばりすぎる
- 特徴3:責任感が強く我慢しすぎる
- 特徴4:相手の顔色をうかがいすぎる
- 特徴5:ネガティブ思考が強すぎる
- 特徴6:自己防衛をしすぎる
- 特徴7:依存しすぎる
- 特徴8:自分の殻に閉じこもる
- 特徴9:人とかかわることが怖すぎる
- 特徴10:好きなことに手を伸ばすのをためらう
自分のことを毒親育ちだと受け止めるのは時間がかかるし、その過程で苦しい思いをしますが、これまでのことや直近の出来事を振り返りながら記事を読んでください。
毒親育ちと気づけたからこそ、毒親のいない人生へ軌道修正することができます。今さらということはありませんので、できる範囲で自分と向き合ってみるのはいかがでしょうか。
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