- 毒親から逃げたい
- 自己嫌悪に陥ることをやめたい
- 今の自分でもできることを知りたい
この記事で紹介する毒親育ちが「やめた口癖」と「増やした口癖」を知ると、毒親育ちの口癖とその口癖を変えるポイントがわかります。
この記事では、毒親育ちが口癖を変えるポイントをご紹介します。
この記事を読み終えると、あなた自身の言動を客観的に理解しやすくなるし、毒親の「毒」から抜け出すキッカケにもなります。
毒親は子供を支配したり傷つけたりする有害な親
毒親とは、子供の人生を支配したり、子供を傷つけたりして、子供にとって「毒(有害)」になる親のことです。
毒親という言葉が広まったきっかけは、2001年に発刊されたスーザン・フォワードさんの著書「毒になる親 一生苦しむ子供」(講談社+α文庫、玉置悟訳)。この本の中で毒親が紹介され、知られるようになりました。
毒親の特徴について、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
毒親育ちの口癖は人生を悪い方向へ進めやすくなる
口癖によって、あなたの歩む人生が大きく変わるからです。
いきなりですが、マザーテレサさんの言葉をご存じでしょうか?
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
マザーテレサの名言
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
スピリチュアルっぽい感じもしますが、この言葉は当たります。
なぜなら、毒親に育てられると、生活にかかわるすべてのことにおいて、毒親から影響を受けるからです。
元をたどると、人生を変えるために効果的な方法は「思考を変えること」です。ですが、毒親の攻撃で傷ついているところで、思考を変えるには時間が必要です。毒親育ちでも変えやすいことと考えると、口癖なのです。
毒親育ちの口癖の傾向は下記のとおりです。
傾向1:ネガティブな口癖を使い慣れている
毒親育ちは、毒親から否定されたり批判されたりすることに慣れすぎています。
たとえば、あなたが何か新しいことを始めようと思っているとします。毒親は「お前にはできない」「絶対に失敗する」などと言って、あなたの意欲をなえさせようとします。
はじめのうちは不服だと感じても納得したり、毒親の声に耳を傾けて断念したりするでしょう。しかし、毎回のようにそれが続くと、状況は一変。毒親育ちの方から「私にはできない」といった気持ちが強くなり、自信を失っていきます。やらなかったことに後悔して、グチが増えることもあるのです。
傾向2:毒親の口癖をマネするようになる
口癖は、自分にとって身近な人のものがベースになるからです。
毒親は自分の人生に不満を抱えて、コンプレックスの塊と化しています。自分の思い通りの人生を歩めていないので、ネガティブな口癖を連発。あなたの口癖も、知らず知らずのうちにネガティブに寄せられていっています。
たとえば、何も始めていないのに「どうせ私には無理」「自信がないからやらない」など。毒親の影響もあり、あなたが自分で自分の首を絞めたり、行動を制限しています。
毒親が完璧主義だったり、あなたに過剰な期待を寄せていると、そのプレッシャーで失敗したくないという感情から断念することもあるでしょう。あなたの行動の90%は、毒親由来のネガティブな感情に支配されているのです。
傾向3:毒親育ちはネガティブな口癖の影響を受けやすい
ネガティブな口癖は影響を与えやすいだけで絶対悪ではありません。
人によっては、ネガティブな口癖をポジティブなエネルギーへ変えて、活躍されている方もいらっしゃいます。
しかし、毒親育ちの場合は、毒親から受ける口癖のネガティブ度合いが強いので、ポジティブなエネルギーに変換しづらいのです。たとえば下記のとおりです。
- 毒親に限らず、他人から言われたことをマイナス変換する
- マイナス変換をしたまま思い込んで引きずる
- 相手の善意を「罠なんじゃないか」と疑う
- 自分の口癖によって自信がなくなり、自己肯定感が下がる
- 目の前のことがおろそかになり、自己嫌悪に陥る
そのため、自分は毒親育ちだ」と認識しているほど、口癖を変えていくことがおすすめです。
毒親育ちの私がやめた口癖【体験談】
毒親育ちの私がやめた口癖は下記のとおりです。
- やめた口癖1:「~すべき」、「~しなければならない」
- やめた口癖2:「絶対に」「確実に」
- やめた口癖3:「当たり前」「普通」「常識」「世間的に」「一般的に」
- やめた口癖4:「みんなが言っているから」
- やめた口癖5:「できない」「無理」「ダメ」
- やめた口癖6:「でも」「だって」「だから」
やめた口癖1:「~すべき」「~しなければならない」
毒親に言動を制限されたり、毒親が考える子供の「あるべき姿」を強要されてきたからです。
仕事の職種や役職、学校の部活や委員会などでは任される役割があります。その責任をまっとうするために、状況によって「あるべき姿」とか「すべきこと」を求められるでしょう。毒親育ちはその責任を人間関係やプライベートにも持ち込みます。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、毒親だけではなく周りの人の目を気にして、それにコントロールされているからです。
けれども、あなたの人生はあなたのものなので、あなたに関わるすべてのことはあなたが選択・決定できるものです。困りごとや悩みごとを周りの人に相談することはあっても、すべてを受け入れなければならない、ということはありません。
やめた口癖2:「絶対に」「確実に」
毒親の価値観をそっくりそのまま受け継いでいるからです。
毒親育ちは、何か問題が起きたときに0%か100%か、白か黒か、勝ちか負けか、極端な決め方をします。相手の状況を考えて、折衷案とか妥協案で折り合いをつけようという発想がほとんどありません。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、承認欲求が強く、自身を正当化させたいと思っているからです。
毒親育ちは、親(家族)に愛されているとか大切にされているとか実感した経験を自力で補おうとします。そのぶん、自身の価値観や考え方に固執しがちです。根拠のないことでも「自分が正しい」と思い込んで発言するので、周りの人からの批判や否定には攻撃的になります。
けれども、あなたが思っていることが「絶対に」「確実に」正しいとも、相手がいる場合はあなたの考えが「絶対に」「確実に」受け入れられるとも限りません。あなたと相手の価値観や考え方は違ってもいいのです。
やめた口癖3:「当たり前」「普通」「常識」「世間的に」「一般的に」
毒親に「周りと同じ」であることを強要されてきたからです。毒親は、毒親育ちが持つ個性を認めないし否定し続けています。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、自身を正当化させるために周りの人に援護してほしいからです。そうすれば、周りの人と浮かずに自身の主張を通しても罪悪感がないですよね。
けれども、あなたと周りの人との価値観や考え方がまったく同じことはないし、むしろ違うことばかりです。この口癖を使い続けて、あなたの個性を押し殺し続けることにメリットはありません。
やめた口癖4:「みんなが言っているから」
周りの人と浮かないことを優先しすぎて、毒親育ち自身の価値観や考え方を言えなくなっているからです。意図的に言わない場合もあります。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、周りの人と浮きたくないからです。みんなで決めたことなら、どのような結果(結論)になっても個別に非難されたり否定されたりする可能性は低くなりますよね。
また、「みんな」は多数大勢を指しているので、「みんな」という多数派がいることを盾にして周りの人に責任を押し付けたり、非難・批判もできます。この口癖は言い訳にも使えるので、あなた自身の「逃げ癖」もついて現実逃避するようにもなります。
やめた口癖5:「でも」「だって」「だから」
毒親から受ける暴力や暴言を最小限にするために、自己防衛したいからです。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、「言い訳」を並べることで自分の身を守ることができるし、今のままでもいいまっとうな理由にもなるからです。
ときに先々を見据えて自己防衛をすることも大切ではありますが、自己防衛をしすぎて身動きが取れなくなってしまっては元も子もありません。毒親の毒から解放されるため、あなたの言動を豊かにするためにも、この口癖を断ちましょう。
やめた口癖6:「できない」「無理」「ダメ」
毒親の暴力や暴言によって「格下の存在」だということを植え付けられているからです。
毒親育ちがこのような口癖を言うのは、自身のやることなすことに自信を持てないからです。暴言や暴力は、最初のうちは反抗したり反論したりもしますが、それが日常的になると感覚がマヒして事実だと思い込んでしまいますよね。
けれども、毒親に思い込まされているだけで、新しいことややってみたいことがあなたにとっての「できないこと」「無理なこと」とは限りません。この口癖は、あなたにとってのチャンスや好奇心を奪うものです。やめるのは早ければ早い方が良いでしょう。
毒親育ちの私が増やした口癖【体験談】
一方で、毒親から解放されるためには毒親育ちが増やす口癖もあります。
- 増やした口癖1:「ありがとう」
- 増やした口癖2:「嬉しい」「悲しい」などの気持ちを伝える言葉
- 増やした口癖3:「私は~だと思う」と発言の主語を自分にする言い方
増やした口癖1:「ありがとう」
「ありがとう」は、毒親育ちにとっても「じゃない人」にとっても気持ちの負担を軽くする言葉です。
なぜなら、毒親育ちはコミュニケーションを取るのが苦手だからです。
毒親育ちは毒親の顔色をうかがってきたために、自身が毒親育ちだとわかってからも周りの人の顔色をうかがい続けています。そのため、反射的に「すみません」「ごめんなさい」など謝り癖がついています。
もちろん、トラブルや問題が発生して自身に非があるとハッキリわかっているなら、素直に謝る必要はあるでしょう。そうではない場合は、むやみに謝らなくてもいいのです。
謝り癖がついていると、下記のようなことが起こります。
- 相手との関係が主従関係になる(毒親育ちが「従」)
- 相手に都合よく利用されたり騙されたりしやすくなる
- 相手に罪悪感を与える(悪いことをした気持ちになる)
- 自分の自己肯定感も自信も下げて自滅する
一方で、「ありがとう」は人間関係において相手と対等な関係を築けます。相手もあなたもモヤモヤした気持ちにならずにすむので、「すみません」「ごめんなさい」と言うのとは真逆の状況に変えられます。
増やした口癖2:「嬉しい」「悲しい」など気持ちを伝える言葉
あなたが思ったことや感じたことを相手に伝えることは、「罪」でも「悪」でもありません。
なぜなら、毒親育ちもひとりの人間で、感情を持っているからです。
毒親育ちは、毒親に「我慢が美徳」「感情を出すのはみっともない」といった価値観を植え付けられています。そのため、自身の話をするのは「恥ずかしい」「怖い」とか「相手に失礼」と感じやすいもの。
感情を伝えるのは、あなたが相手に心を開いている(開こうとしている)サイン。あなたはその感情に素直になってもいいのです。
増やした口癖3:「私は~だと思う」と発言の主語を自分にする
コミュニケーションを取るときに大切なことは、相手と会話のキャッチボールが成り立つことです。
なぜなら、いったん相手に対してネガティブな気持ちを持つと、相手の発言を受け入れにくくなったり悪い方向に理解したりするからです。
毒親育ちの発言には、「(相手が)〇〇をしてくれない(やってくれない」のように、主語が抜けているものが多いです。相手からしてみれば、あなたの発言は相手に要求・命令しているものと受け止められます。
毒親育ちでも「じゃない人」でも、もっとも不快な気持ちになるのは自身の言動をされたりコントロールされることです。そして、コントロールされていると認識するほど、相手に反論したくもなります。
一方で発言の主語を自分にすると、自分の感情を伝えているにすぎません。相手にしてみれば選択肢が残されているので、自発的に行動しようと思えるのです。
番外編:コミュニケーションの「さしすせそ」
上記の3つが「難しい」「辛い」など感じる場合は、コミュニケーションの「さしすせそ」も効果的です。
相づちを打つときに使うと、相手が「自分の話を聞いてもらえてる」と感じられ、あなたに親近感がわきます。多用すると「ちゃんと聞いてるの?」などと相手に誤解されてしまうので、使い過ぎには気をつけてください。
- さ:「さすが!」
- し:「知らなかった!」
- す:「すごい!」「ステキ!」
- せ:「センスがいい!」
- そ:「そうなんだ」「そうですね」
まとめ:あなたのペースで口癖を変えよう!
この記事では、毒親育ちの私がやめた口癖と増やした口癖を紹介しました。
人によって口癖は違いますが、ネガティブな口癖は自分で自分を傷つけることになります。あなたの口癖を見直すきっかけになれば嬉しいです。
最後にもう一度内容を確認してみましょう。毒親育ちの私がやめた口癖は下記のとおりです。
- やめた口癖1:「~すべき」、「~しなければならない」
- やめた口癖2:「絶対に」「確実に」
- やめた口癖3:「当たり前」「普通」「常識」「世間的に」「一般的に」
- やめた口癖4:「みんなが言っているから」
- やめた口癖5:「できない」「無理」「ダメ」
- やめた口癖6:「でも」「だって」「だから」
自分の言動を客観的に振り返るのは簡単ではありませんが、何度も何度もこの記事を読み直して自分のものにしてください。あなたは毒親と同じではありません。毒親を反面教師にしましょう。
上記の内容を学んだあとは、「やめることリストの作成」が必要です。具体的に学びたい方は下記にも目を通しましょう。
あなたの人生はあなたのものです。毒親育ちだと気づけたからこそ、今の状況を変えられます。あなたのペースで、少しずつ始めてみませんか?
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