アダルトチルドレンという言葉は聞いたことがありますか?しかし、何を指すのか、また特徴やその原因まではわからない…という方もあるかもしれません。
そこで本記事では、アダルトチルドレンの定義や特徴、形成される原因を解説し、さらに似ている概念である「機能不全家族」との違いについてもわかりやすく紹介します。
この記事を通して、自分自身や身近な人間関係を見直すきっかけになるでしょう。心のモヤモヤを少しでも解消し、自分らしく生きるためのヒントになりましたら幸いです。
佐藤みなと
30歳のときの離婚をきっかけに自分の親が毒親だと気づき、「毒親の解毒メソッド」を構築しながら解毒。毒親とは絶縁済。現在は、毒親育ち専門のカウンセリングを行っている。1児のママ。
アダルトチルドレンとは?
アダルトチルドレン(Adult Children、AC)は、心理的な特徴や行動パターンを表す用語です。
元々は、アメリカでアルコール依存症の家庭に育った子供たちを指す言葉として使われました。その後日本にも導入されて、家庭内での不適切な関係や役割を担わされることで、心理的な影響を受け続ける人々を指す言葉として広がりました。
アダルトチルドレンの特徴チェックリスト
この記事を読んでくださる方は、「自分はアダルトチルドレンなんじゃないか?」と思われているかもしれません。
そこで、アダルトチルドレンの特徴として10個のチェックリストにしましたので、ぜひ自己診断をしてみてくださいね!
- 自己肯定感が低い
- 責任感が強く、自己責任を負いやすい
- 人の顔色をうかがって自分の言動を決める
- 他人からの評価を過剰に気にしてしまう
- 自分の感情を抑え込みがち
- 人を深くかかわるのが怖い
- 依存的な関係を築きやすい
- 他人との距離感をつかむのが苦手である
- 不満や怒りを表現できず溜め込みやすい
- 未来に希望を持てない
今回のチェックリストでは、該当する項目が少なくても、アダルトチルドレンである可能性がたかいです。現状を把握するためにも、大人になった今の時点で、自分の傾向を客観的に見るツールとして活用してみてくださいね!
なぜアダルトチルドレンになるのか?その原因は?
アダルトチルドレンの背景には、家庭環境や親との関係が大きく影響しています。
具体的な原因は以下のとおりです。
原因1:機能不全家族での育ち
機能不全家族は、家庭内での役割やコミュニケーションが健全に機能していない家庭のことを言います。
このような家庭で子供が育つと、
- 自己肯定感の低下
- 不安やストレスの常態化
- 精神的・身体的な健康問題
などの症状が、大人になってからも顕著に表れます。原因は親の過干渉、過保護、アルコールや薬物依存など色々ありますが、もっとも大きな原因は、親の心理的な未熟さです。親の未熟さを子供がカバーするために、子供が家庭内の空気を読んで、本来は親がやるべきことを先回りして対応せざるをえない状況によります。
親と言っても人間ですから、なんでも完璧にできるとは言えないでしょう。しかし、親としての責任感や義務感が欠如している傾向にあるので、子供に「自分はしっかりしなくては」と思い込ませてしまうのです。
原因2:家庭以外の環境の影響
家庭環境だけでなく、学校や地域社会の影響が原因となる場合もあります。
たとえば、学校や社会でいじめや差別に苦しんでいる場合、家庭環境とあいまって子供の自己肯定感が低くなります。また、家族以外との交流が少ない場合、子供は偏った価値観を持ちやすくなり、大人になったときに「認知の歪み」が原因で生きづらさを感じやすくなります。
原因3:世代間連鎖
親自身がアダルトチルドレンである場合には、その影響が子供に受け継がれることがあります。
親は幼少期に受けた経験が当たり前と思い、無意識に同じことを子供に対してすることがあります。また、問題のある家族の役割が世代を超えて祖父母の代から継承されている場合、親になる前に認知の歪みを直さなければ、半永続的に連鎖してしまいます。
アダルトチルドレンと機能不全家族の違いは?
アダルトチルドレンと機能不全家族は似て非になるもので、「状態」か「環境」かの違いがあります。
アダルトチルドレンは、個人に焦点を当てた概念です。機能不全家庭で育ったことで心や行動に影響を受けて成長した人のことで、外的要因によってアダルトチルドレンの特徴で紹介した特徴が顕著に表れます。
これに対して、機能不全家族とは過程全体に焦点を当てた概念です。家族間の関係や機能が健全に機能していないため、子供の健全な成長が阻害されています。その結果、機能不全家族で育った子供が大人になると、アダルトチルドレンとなる場合が多いです。
よって、機能不全家族は「土台」のようなもので、そこで育った子供が大人になったときに「アダルトチルドレン」という心理的な特徴を持つことがあります。
ただし、機能不全家族で育ったすべての人が必ずアダルトチルドレンになるというわけではありません。家庭環境以外にも、本人の生活や外部からの支援が大きく影響することがあります。
まとめ:まずは自分の言動の振り返りをしよう!
本記事では、アダルトチルドレンの定義や特徴、形成される原因を解説し、さらに似ている概念である「機能不全家族」との違いについてもわかりやすく紹介しました。
最後に、「アダルトチルドレンの特徴」についておさらいしましょう!
- 自己肯定感が低い
- 責任感が強く、自己責任を負いやすい
- 人の顔色をうかがって自分の言動を決める
- 他人からの評価を過剰に気にしてしまう
- 自分の感情を抑え込みがち
- 人を深くかかわるのが怖い
- 依存的な関係を築きやすい
- 他人との距離感をつかむのが苦手である
- 不満や怒りを表現できず溜め込みやすい
- 未来に希望を持てない
自分がアダルトチルドレンかどうかは、すぐには気づきにくく、特徴を挙げられただけではイメージしづらいかもしれません。ただ、これまでの人生を振り返って、人間関係のトラブルや悩みが多かったり、漠然とでも生きづらさを感じてきているなら、アダルトチルドレンの傾向は高いのかもしれません。
心当たりのある時は、これまでの自分の言動や経験を振り返ってみましょう。アダルトチルドレンだと認識できる行動を取ってきたことが多い可能性が高いので、自分自身の言動を落ち着いて見直すことが大切です。
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結婚、妊娠、出産、育児は、毒親育ちの女性だけでなく、男性にとってもハードルの高いことでしょう。だからこそ、生涯独身を決めている方が多いのですが、決めつけているだけで本心は違うこともあります。
決めつけ(決断)は、毒親育ちが解毒するために大切なことのひとつです。しかし、それによってあなたの自由や選択肢を狭めてしまっては、本末転倒ではないでしょうか。
効果的なのは、肯定も否定もせずに自分の話を聞いてもらうことです。話を聞いてもらうことで、納得感が増したり、新たな価値観に気づくこともあります。ぜひ受けてみてくださいね!
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