- 自分の親が毒親だと信じたくない
- 自分の親が毒親になった理由を知りたい
- 毒親育ちの自分が毒親にならない方法を知りたい
自分の親が毒親だと気づくと、なぜ毒親になったのか気になるようになります。結婚や出産など自分らしい人生を歩もうとするも、毒親の存在がネックになって踏み出しづらくなります。
私も、一度目の離婚にこりて再婚しない、子供もいらないと思っていました。ところが子育てをするようになって、「毒親になる原因がわかれば、毒親育ちでも子育てできるんじゃないか?」と考えるようにもなりました。
そこでこの記事では、毒親育ちが毒親になりやすい理由、毒親育ちが毒親にならないためにできることを、毒親育ちの私の体験談とあわせて解説します。
この記事を読み終えると、今後はあなたが毒親になるリスクを抑えられることができ、あなたが望む人生をかなえやすくなります。
毒親育ちになりやすいのは家庭環境が原因
毒親育ちが毒親になりやすいのは、家庭環境に原因があります。
もっとも大きいのは「毒の世代連鎖」です。毒親の親、つまりあなたの祖父母も、毒親に対して何らかの「毒(有害)」な言動を行っていたのです。
家族の話題が今以上にタブー視されて友人などと話す機会はありません。自分の家族に違和感すら覚えずに当たり前と受け入れ、祖父母から毒親へ毒が連鎖するのです。
親が毒親だと気づいた時点で、その毒の要素を把握して自身の言動を振り返ってみてください。あなたにも毒親と似た傾向が見られるとしたら、見直す価値があります。必ずすべきことではありませんが、あなたの毒を消化するには効果的です。
>>毒親の特徴を解説
毒親育ちが考える毒親になる人の7つの特徴
毒親になる人の特徴は下記のとおりです。
- 特徴1:自己肯定感が低い
- 特徴2:他人からぞんざいな扱いを受けてきた
- 特徴3:やりたいことを諦める
- 特徴4:他人の価値観を受け入れられない
- 特徴5:すべて自己解決をしたがる
- 特徴6:親が敷いたレールを歩む
- 特徴7:親になる覚悟がない
特徴1:自己肯定感が低い
自分のやることなすことに自信が持ちづらく、依存体質になりやすい方です。
自己肯定感の低さや自信のなさをバネにする人もいるので、必ずしも罪不快ものではありません。
問題になるのは、毒親によって「自分は無力」「何をしても報われない」思い込まされ続けたことです。自分を導いてくれる「誰か」にすがらずにはいられなくなり、自分から見て優れている人に妄信するようになります。
- 妄信した相手の言うことを鵜呑みにする
- 妄信した相手なしでは生きられなくなる
- 自分なりに自分のことを考えられなくなる
など、自立からかけ離れた状況になりかねません。毒親の影響で人間関係を築きづらい特性もあり、コミュニティや組織から切り離され、孤立するおそれもあるのです。
特徴2:他人にぞんざいな扱いを受けてきた
家庭環境の影響で、愛着障害にゆがみが生じやすくなります。
愛着障害は心理学用語で、主たる養育者と子供との間に、適切な愛着関係が形成されなかったことを意味します。正常な親子関係のような親による世話がなく、子供は不安や悲しみが強くなると、自立心の確立、人間関係や社会性の発達を阻害するようになります。
- 相手との距離感がわからない
- ストレスを抱えやすく、心が不安定になりやすくなる
- その場に応じた適切なコミュニケーションが取りづらくなる
など、人間関係にまつわるトラブルを抱えやすく、生きづらさを感じるようになります。身近に相談できる人が少ないなどの理由で、あらゆる問題をひとりで抱え込みやすくなります。
特徴3:自分のやりたいことを諦める
実行する前に諦めることが多く、後々になって後悔することが多めの方です。
自分の能力を過小評価したり、家族をはじめ周りの人がストッパー役になっています。自分軸がなく、他人の言うことに流されることが多いです。自分のやりたいことがあっても、他人に言いくるめられてあきらめてしまうのです。
人間関係を築くのが苦手なために、自分にとっての「良い人」「悪い人」の判断が苦手です。それを利用しようとした毒親と似た性分の人を引き寄せてしまい、自己肯定感の低下を助長します。
特徴4:他人の価値観を受け入れられない
100%か0%の2択しか選択肢がなく、他の選択肢という発想がありません。
「勝ち負け」というような、白黒をはっきりつける二択を迫られることが多かったことが影響しています。二択から瞬時に自分に優位な方法を選ぶ習慣が身についているので、どっちつかずのグレーゾーンは苦手です。
どんな状況でも損得勘定で判断しようとするため、長く付き合える人間関係を築くのが苦手です。逆に、あなたと似た性分の人を引き寄せ、人間不信に陥ることもあります。
特徴5:すべて自己解決したがる
物心がつきたときから、自己解決が身についている方です。
あなたが助けを求めたくても求められなかったり、助けを求めてもスルーされてしまったりしているうちに、他者に頼るのを諦めています。周りから見て「できる人」と評価され、自分でもその自信があります。壁にぶつかったときに、自信が邪魔をして追い詰められやすくなります。
特徴6:親が敷いたレールを歩む
我慢し続けると、できなかった後悔を子供にぶつけやすくなります。
自分で考えて行動するという経験は、ひとりの人間として自立するために重要です。「子供に失敗してほしくない」という親心も理解はできます。
ですが、人は失敗を経て成長するものです。失敗の数が多いほど学びになって、経験として次に活かすことができます。子育てはやり直しができないことなので、親の立場で失敗をすることほど子育てで怖いことはありません。
特徴7:親になる覚悟がない
独身モードが残っていると、しょっぱなから子育てにうんざりしやすくなります。
身体的な変化はあるとはいえ、女性でも親になる実感は持ちづらいです。特に初産だと、産後の生活が大変になるのはわかっていても、正直、具体的に想像しきれません。
実際は「ケセラセラ(なるようになるさ)」でどうにかなることですが、甘く見積もりすぎているのは注意。メンタルが折れて、「子供を産んで良かったのか」と思い悩むことになりかねません。
毒親はなるもので元から毒親な人はいない
毒親という存在は、外的要因で「なる」ものです。
生まれたときから誰かに悪影響を及ぼす人はいません。成長の過程で他者から一方的に悪者扱いをされたり、自分の思い込みで物事をとらえたり、判断の見誤りが影響します。
毒親の言動は擁護できるものではありませんが、毒親にならざるを得なかった背景はあります。
たとえば下記のとおり。
原因1:子育て方法がわからない
毒親には、子供にとって最適な方法がわかりづらいです。
子育ての手本が親となると、毒親育ちの場合、出鼻をくじかれたような状態となります。今は動画や本などで情報を得ても、最適な方法を選ぼうとするのは大変です。毒親じゃない親に育てられた人以上に、子育てのハードルが高くなります。
原因2:有益な子育て情報が少ない
インターネットが普及しておらず、情報収集がしづらい環境です。
役所へ行って相談に乗ってもらったり、近所のママと情報交換をしたり、情報収集ルートが限られています。信ぴょう性があいまいだと、子供の命にかかわるおそれもあるので、それを調べるにも時間がかかります。
今は逆に情報があふれすぎて、調べれば調べるほど不安が大きくなって、メンタルに悪影響を及ぼすこともあります。
原因3:相談できる人がいない
パートナーに相談しづらく、ひとりで抱え込まずを得ません。
今も昔もワンオペ育児が大変なことに変わりありません。ですが、毒親の世代は夫と妻で役割分担が明確になっているぶん、夫が家事・育児にノータッチというケースが大半。身内で子供の成長を共有しづらいことが多いです。
程度に差があるとはいえ、ぶっちゃけ今も大して変わらないですね。
毒親にならないためには逃げ道を作る
毒親にならないためにできることは下記のとおりです。
- アイデア1:自分の当たり前を見直す
- アイデア2:自分の好きなことを実行する
- アイデア3:パートナーと話す時間を増やす
- アイデア4:友人と会う時間を作る
- アイデア5:行政機関に相談する
- アイデア6:義父母と良好な関係を築く
- アイデア7:ベビーシッターに依頼する
- アイデア8:保育園を利用する
これらの共通点は、「子育て以外の逃げ道」です。子育てにつきっきりになりがちですが、子育て以外のことに目を向ける工夫します。ストレス発散にもなります。
アイデア1:自分の当たり前を見直す
自分の当たり前が正しいとは限りません。
自分と同じ価値観の人はいませんが、子供に対しては強要していることもあります。特に幼いうちは、「親の言動が当たり前」と受け入れてしまうので、親自身が子供に強要していることに気づきづらいです。
自分の思うように相手をコントロールできず、子供も例外ではありません。子供には子供のペースがあるので、できる範囲で子供の意思を尊重してみてください。子供の様子を注意深く観察するだけでなく、ある程度、子供をほったらかしにすることも大切です。
私が子育てを通して変えた価値観は、下記のようなものが挙げられます。
- お風呂は朝に入ってもいい
- 食事は食べたいときに食べればいい
- 作り置きのおかずを作らなくてもいい
- 丁寧にすることが良いとは限らない(手抜きは大事)
- 物事を行う時間を定めすぎなくてもいい(スキマ時間を活用する)
毒親に影響を受けた価値観は意外に多くあります。それに気づいたり、渋々とやってきたことがあれば、ひとつずつ見直していきましょう。
アイデア2:自分の好きなことを実行する
親という仕事は、役割のひとつにすぎません。
子供がいると、子供中心の生活にならざるを得ません。ひとり時間が少なくなり、自分にお金が少なくなり、家事・育児をこなすのに精いっぱいになりやすいです。今までできたことができなくなる、やりたいことをあきらめる…なんてこともザラにあります。
今もなお、家事・育児をになうのは女性のことが多く、何をするにも制約ができてしまいます。ですが、子育ては人生のひとつの経験であって、人生のすべてではありません。できる範囲のことから取り組むのも、選択肢に入れてみてください。
- 読書をする
- 在宅で受検できる資格を取得する
- YouTubeなど活用して興味のある分野の勉強をする
- 副業や株式投資などを勉強して、会社以外の収入を作る
- 運動不足の解消で、毎日数回はラジオ体操を行う
- 野菜多めで栄養バランスの整った食事をとる
- 断捨離するなどして生活環境を整える
など、目に見える変化が少なくても構いません。これからの人生の方が長いので、小さなことでも自分なりに続けられることを選ぶのがおすすめです。
アイデア3:パートナーと話す時間を増やす
子育てには夫婦のチームワークが重要です。
まだまだ女性の負担が多く、女性の立場では不平等感を感じずにはいられません。夫婦でできることもできないことも違うので、できる範囲で家事も育児も分担するのがおすすめ。それを決めるためにも、日々のコミュニケーションが重要です。
子育ては子供の個性によって方法が変わります。子供にとっての最適解を決めるのは夫婦で、どちらかの独断ですべて判断しなければいけない…..ということではありません。
アイデア4:友人と会う時間を作る
子育てだけになると、社会から孤立した気分になり辛くなります。
上記で紹介した「自分が好きなことをしよう」という話に通じるのですが、子育てだけとなると逃げ場がなくなります。小さな問題を大きくとらえ、周りの言動に過剰反応をして、ストレスになります。
そんなときに友人と話すのは効果的です。共通の趣味、好きなこと、近況を話すと楽しくなって、気持ちがスッキリします。外出しづらいなら、LINEのテレビ通話やZoomなどのオンライン通話システムがたくさんありますので、活用しましょう。
アイデア5:行政機関に相談する
行政機関での子育てサポートは想像よりも充実しています。
平日9:00~17:00の限られた時間ではありますが、無料でざっくばらんに相談できるのは心強いです。
私の住む街の場合は、
- 助産師による子育て相談
- 歯科衛生士による歯科相談
- ファミリーサポート(近隣家庭が有償で子供を預かるサービス)
- 子育て教室(子供が週1回公民館で遊べるサービス)
- NPO団体が運営する子育て広場
がありました。
子育て支援サービスは市区町村によって違いがありますので、一度調べてみるのがおすすめです。子育て教室や子育て広場に行くと、他のママと知り合えることもあります。
アイデア6:義父母と良好な関係を築く
仲良くできそうなら、義父母と良好な関係を築くと、子育てでも負担が軽くなりやすいです。
自分の親は毒親だと気づいた時点で、「毒親に頼ることをやめる」と決めちゃって大丈夫です。毒親に頼って余計なストレスを抱えるほど、無駄なことはありません。
子育ての中心は家庭です。パートナーをはじめ身内にひとりでも理解者がいるだけで、心強いです。ざっくばらんに話せそうなら、義父母と関係を築くことを選択肢にいれてみてください。
たとえば、
- LINEなどで定期的に連絡を取る
- 感謝の気持ちを伝えやすい
- 自分がピンチのときに助けを求められる
- 会ったときに会話ができる(社交辞令でもOK)
- お互いが公平な関係を築こうとしている
義父母には気を遣うことが多くなるし、無理に関わろうとしなくて大丈夫です。困ったときなどに助け合いやすくなるので、できる範囲で自分にとってちょうどいい距離感の関係を築きたいですね。
アイデア7:ベビーシッターに依頼する
体力的に、身体的、精神的にキツイときは休みましょう。
有料サービスなので、ベビーシッターの利用は勇気のいることかもしれません。
しかし、健康は何物にも代えがたいものなので、不調を覚えたら休むようにしてください。無理をして症状が悪化しては元も子もありません。
特に精神的に参っていると、
- 食事をする意欲がわかない
- 身体が疲れているのに眠れない
- 何もしたくなくて身動きが取れない
- 感情がなくなり何に対しても無気力になる
- 趣味ややりたいことに興味を持てなくなる
などの症状が身体に出るようになります。今までの自分とまったく違う、そこまではなくても違和感を覚えることがひとつでもあれば、休みましょう。
まとめ:自分が毒親にならない選択をしよう!
上記で紹介した「毒親にならないためにできること」を実践していただくと、今後は自分が毒親になるかもしれないという不安を解消でき、毒親の呪縛からも解放されます。
最後にもう一度内容を確認してみましょう。毒親になる人の特徴は下記のとおりです。
- 特徴1:自己肯定感が低い
- 特徴2:他人からぞんざいな扱いを受けてきた
- 特徴3:やりたいことを諦める
- 特徴4:他人の価値観を受け入れられない
- 特徴5:すべて自己解決をしたがる
- 特徴6:親が敷いたレールを歩む
- 特徴7:親になる覚悟がない
毒親のことも自分のことも振り返るには時間がかかると思いますが、これまでの出来事を思い返しながらこの記事を読み直して自分のものにしてください。
自分のものにしてしまえば、自分自身の言動をコントロールして毒親と同じ言動をすることはなくなるし、自分が毒親になることはありません。
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