- 友人に毒親の相談をしてもあしらわれてしまう
- 毒親のひどさを理解してもらえなくて苦しい
- 毒親による苦しみを解消する方法を知りたい
毒親という言葉が知られるようになったとはいえ、いざ毒親の相談をすると「家族なんだから我慢も必要」と言われやすいです。相談したい、誰かに話を聞いてほしいと思っても、それがかなわずに苦しむケースは非常に多いです。
私は30歳で自分の親が毒親だと知り、絶縁しましたが、その過程で相談できませんでした。そのせいでストレスが溜まり、メンタルが不安定な状況になりました。
そこでこの記事では、毒親の苦しみが理解されない理由、毒親の悩みを打ち明けてもいい人を見分ける方法を解説します。
この記事を読み終えると、毒親ストレスを減らすきっかけが作れるし、毒親問題を解消しやすくなります。
自分が体験していないから毒親育ちの苦しみは理解されない
毒親育ちの苦しみが理解されない理由は下記のとおりです。
- 理由1:毒親の外面が良い
- 理由2:毒親の「二面性」が激しすぎる
- 理由3:家族神話が信じられすぎている
- 理由4:家族観の違い
- 理由5:話が事実か判断しづらい
理由1:毒親の外面が良い
毒親は世間体を気にしすぎるので、傍から見て「ヤバい人」と受け取られることがありません。
毒親は、周りにいる人に「いいひと」でありたいと強く願っています。自分の意に反したことでも、好印象を持ってもらえるためなら手段を選びません。
毒親の連鎖によって、毒親自身も毒親育ちの可能性が高いゆえに、自己肯定感が低く承認欲求が強い傾向があります。周りの人からの評価が「命」と言っても過言ではありません。客観的に見て、毒親に「毒」があると思っていなかったり、「毒」があると気づく割合が低いのです。
理由2:毒親の「二面性」が激しすぎる
毒親は、「ウチ向けの顔」と「ソト向けの顔」にギャップがありすぎるのに、それをうまく使いこなします。
毒親の「ウチ向けの顔(裏の顔)」と「ソト向けの顔」の両方を知っているのは子供だけです。
毒親は自分にとってメリットのある人に対してはていねいに接します。夫婦間でも良き夫、良き妻でいたいという思いもあり、本心を隠している傾向もあります。
そのため、毒母の悪行を父親に言っても「気のせいだ」「お母さんを悪く言うな」と一蹴されてしまうことがあります。子供が「うちの親は毒親だ」と主張しても、それを裏付ける根拠がないのです。
理由3:家族神話が信じられすぎている
本では、未だに「家族は絶対」と信じられていて、神聖なものとして扱う人が多数派です。
日本における社会やコミュニティ(組織)の最小単位は家族で、その影響で「家族神話」と言う考え方が根付いています。
家族神話は、
- 家族はすばらしいものである
- 家族の問題は、家族で解決するべき
- 家族の問題に第三者が介入するべきではない
という考え方です。家庭の問題や事情を知っていたり、「力になってあげたい」と思っていても、「介入すべきではない」と考える人が多いのです。
周りの人にしても、介入したところで責任転嫁をされるなどリスクをともなうこともあります。見て見ぬフリを決め込むのが得策だったりもするので、非難できるものでもありませんよね。
理由4:家族観の違い
人は、自分が経験したことのないことを理解するのは苦手です。
毒親育ちの家庭環境が「異常だったかもしれない」ことは、想像したうえで理解できるかもしれません。しかし、話を聞く側も自分の家庭環境と照らし合わせて聞いているので、あなたの状況を正確に把握できるとは限りません。
これは、毒親育ち同士でも同じことが言えます。毒親から暴言・暴力を受けていても、程度は違うし、毒親育ちの受け取り方も違います。毒親育ちの間でも、理解したり共感できるところが違うのと同じことが起こります。
理由5:話が事実か判断がしづらい
話を聞く側の思い描く「家族像」と違いすぎて、毒親育ちの話が頭に入ってこないことがあります。
自分の想像とを超える話は、受け入れるにも理解するにも時間がかかります。あなたがウソを言っているとは思っていなくても、一方の主張だけで事実だと判断しかねるということもあります。
第三者が「事実」と判断するためには、複数の視点で事実をとらえる必要があります。あなたの話を100%鵜呑みにはできないから、反応に困ることがあります。
以上、5つの理由から、毒親育ちの苦しみは他人には理解されづらいのです。
では、どのように理解してもらうかですが、理解してもらえるだろう人に的確に伝えるのがベストです。次の項目から、私の実体験をもとにその方法をお伝えします。
毒親の苦しみを話す前に内容を整理する
「毒親の苦しみをわかってほしい!知ってほしい!」と思ったら、まずはわかってほしい、知ってほしいことを整理します。
自分の親が毒親だとわかった当初、個人的には毒親に対する恨み憎しみで頭がいっぱいでした。感情に振り回されて、身近で寄り添ってくれた人にも迷惑をかけました。今でも反省してもしきれません。
だからこそ、これから毒親の相談をしたり、悩みを打ち明けるあなたには、「周りの人が何をしてくれたら、あなたの気持ちが癒えるのか」まで考えてみていただきたいのです。
具体的な方法は下記のとおりです。
- 方法1:毒親の悩みを洗い出す
- 方法2:解決したい悩みを明確にする
- 方法3:人の助けが必要か不要かを検討する
- 方法4:相手に話す目的を明確にする
- 方法5:先に事実を話す
方法1:毒親の悩みを洗い出す
毒親の悩みは多岐にわたるので、悩みをひと通り洗い出します。
毒親の悩みを人に打ち明けるにしても、聞き手がすべての悩みを受け止めるのはしんどいです。あなたの話を聞いて、聞き手がどのように感じるかまで配慮して打ち明けるのがおすすめです。
毒親の悩みは尽きません。だからこそ、自分以外の誰かを巻き込むときは、その相手の負担にならないよう、悩みの種を洗い出し要点を抑えておくのです。
方法2:解決したい悩みを明確にする
毒親の悩みを一気に解決できないので、優先的に解決したい悩みを明確にします。
聞き手にわざわざ時間を作って聞いてもらうので、どんなに気ごころの許せる相手でも、相談時間は2時間以内にしましょう。特に、毒親の悩みは根深く、重いので、相手にも負担を強いることがあるのを念頭に置いてください。
そのうえで、1回につき相談は1件を目安に。相談内容によっては、深堀りして解決することもあります。あなたの中で、「これが解決すれば、メンタル的にかなりスッキリする!」と思える悩みを選んでください。
方法3:人の助けが必要か不要か検討する
悩みには、「自分で解決できる、解決できそうなこと」と「自分で解決できない、解決が難しいこと」の2パターンがあります。
毒親育ちは依存傾向があるので、一度「大丈夫」と思ったら、その相手に依存しやすくなります。
毒親に代わる依存先を探そうとするクセがあるので、自分で解決できる、解決できそうなことは、できる限り自分の問題として向き合って、難しいと感じたら相談しましょう!
人に相談すべき問題は、後者の「自分で解決できない、解決が難しいこと」です。あなたにはない解決策を提示してくれて、解決しやすくなります。
方法4:相手に話す目的を明確にする
聞き手に話して、毒親の悩みのうちどんなことを解決したいのかを明確にしてください。
目的は、「ただ聞いてほしい」「自分の話に寄り添ってほしい」で十分です。悩みを解決するために話すなら、「解決策を3つ見つける」でもOKです。
目的がないまま話すと、あなたが感情的になりすぎるとグチ大会になって、聞き手にとってはしんどい会になることがあります。お互いにとって気持ちのいい時間にしたいですね。
方法5:先に「事実」を話す
あなたの感情が入ると、状況を客観的に把握しづらくなります。
毒親育ちは、毒親に対する恨みや憎しみ、嫌悪感が大きすぎて、毒親の話をするときに感情的になりやすいです。話し方によっては、聞き手に「八つ当たりされている」「責められている」と受け止められかねません。
- 今回相談したいこと(テーマ)
- 今回の相談の目的、ゴール
- あなたの身に起きたこと
- あなたに対する毒親の言動
- 毒親に対してあなたが行った言動
を説明して、そのあとに「あなたが感じたことや考えたこと」を伝えてください。
聞き手にわかりやすく伝えることを意識すると、今後も気にかけてくれたり、相談に乗ってもらいやすくなったりします。その人との関係がより深くなって、理解され、理解しやすくなります。
毒親育ちの苦しみを話してもいい人の見分け方【体験談】
毒親育ちの悩みを話してもいい人とダメな人がいます。ダメな人に悩みを打ち明けると、あなたやあなたの悩みを全否定されて、凹むだけで、悲しい気持ちになります。
ただやみくもに「話そう」とするのではなく、「自分で話す相手を見極めること」がかなり重要です。個人的には下記のような人に相談するのがベストです。
毒親の苦しみを相談していい人の特徴
毒親の苦しみを相談してもいい人は下記のとおりです。
- 毒親育ち
- 守秘義務の人
- 聞き上手な人
- 自分の意見も語れる人
- 自分とは違う価値観にも寛容な人
私の経験をふまえると、聞き手の世代、性別、年齢、立場は関係ありません。これらにこだわるような人は、あなたにマウンティングを取るかもしれません。
少なくとも、毒親の特徴と真逆の特徴を持った人に相談するのが無難です。ただし、それでも相手が大丈夫とは限らないので、相談相手としてふさわしいか見極めてから相談してくださいね!
毒親の苦しみを相談してはいけない人の特徴
一方、毒親の苦しみを相談してはいけない人は下記のとおりです。
- 毒親育ちで、自称「解毒済」の人
- きょうだいや親せきなど、いわゆる身内
- 家族で仲良し、家族神話を信じている人
- 自分の価値観を押し付けたり強要したりする人
このどれかに当てはまる人は、自分と異なる価値観を受け入れることが苦手だったり、あなたをマウンティング対象と見なしたりします。あなたの話を聞いてくれたとしても、あなたが傷ついてしまうだけです。
相手の様子をうかがって、少しでも違和感を覚えたら、その人と関わるのをやめてください。あなたが関わろうとすると、苦しめられるだけです。
毒親育ちが関わってはいけない人について、詳しくは下記の記事を参考にしてくださいね。
まとめ:毒親育ちの苦しみの話し相手は慎重に選ぼう!
上記で紹介した「毒親育ちの苦しみが理解されない理由」を知り、「毒親育ちの苦しみを話したいときに考えること」を実践していただくと、今後は抱えている苦しみを周りの人に伝えやすくなります。
最後にもう一度、毒親育ちの苦しみが理解されない理由を確認してみましょう。
- 理由1:毒親の外面が良い
- 理由2:毒親の「二面性」が激しすぎる
- 理由3:家族神話が信じられすぎている
- 理由4:家族観の違い
- 理由5:話が事実か判断しづらい
誰でも、本人じゃないとわからない苦しみや悩みを抱えています。すべてを自力で解決しなければいけないことはありませんし、ときに誰かの力を頼るのもアリです。時間がかかるとしても、ひとつずつ解消していきましょう!
毒親から受けた苦しみを思い返すのも、それを誰かに話すのも勇気がいることです。本当に苦しいときは立ち止まっても大丈夫です。
あなたの人生はあなたのものです。毒親育ちだと気づけたからこそ、今の状況を変えられます。
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