・毒親から「介護しろ」と言われて困っている
・毒親の介護をしたくないから対処方法を知りたい
・毒親と関わらないためにどうすればいいか気になる
介護の必要な世代になると、毒親から「子供だから親の世話をするのは当然」と介護を強要されるケースがあります。しかし、幼い頃から毒親に苦しめられ続けて、介護をしたくない気持ちと子供としての役割とで悩むケースは非情に多いです。
今も自分の親を毒親だと気づけなかったら、私は「子供(長女)の役目」として、嫌々ながらも介護をしていたかもしれません。ですが、自分の人生が狂ったとひどく後悔していた可能性が高いでしょう。

そこでこの記事では、毒親から介護を要求されたときにあなたができる対応・対策を解説します。
この記事を読むと、毒親の介護についてあなたが意思表示しやすくなり、毒親に「介護しろ」と言われても冷静に対処しやすくなります。
子供には親を介護する義務があるが強要ではない

残念ながら、子供には親を介護する義務はあります。
介護の義務とは、介護にかかる医療費や介護費などの金銭的な支援です。なので、身の回りの世話などの身体的な介護はしていなくても、介護施設や訪問介護の利用料を支払っていれば「介護の義務」を果たしたと言えます。
ただし、介護の義務はあくまでも義務であって、強要ではありません。子供の経済事情によっては免除になることもありますが、それは家庭裁判所が判断します。
この判断基準になるものが、厚生労働省で定められている「生活保護基準額」です。憲法第25条に基づいて定められた最低生活費の基準となります。
まずは地域包括センターに相談する

家族である以上、毒親の介護は切りたくても切れるものではありません。まずは、地域包括センターに相談してください。
地域包括支援センターは、高齢者を支えるための総合的な窓口です。介護、医療、保健、福祉など専門知識を持った職員が常駐しています。あなたにとって良い方向に進めるためにも、毒親の介護をしたくないと正直に伝えてみましょう。
第三者を交えることで、精神的な負担が軽くなったり、最善策を見つけられる可能性が高くなります。
ただし、あなたの望み通りの結果にならないこともあります。相談機関が長期化で、わずらわしくなることもあるでしょう。メリットもデメリットもあるので、どちらも検討した上で、地域包括支援センターに相談するか決めてくださいね。
毒親の介護をしないと決めてからできる7つの対策

地域包括支援センターに相談して対応策が確認出来たら、毒親の介護をしないための親族対策をしておくのがいいでしょう。
具体的な対策は下記のとおりです。
・対策1:きょうだいに自分のスタンスを宣言する
・対策2:自分のできる範囲を線引きする
・対策3:一人暮らしを始める
・対策4:毒親の資産を把握する
・対策5:毒親を特別養護老人ホームに入居させる
・対策6:毒親をサービス付き高齢者向け賃貸住宅に入居させる
・対策7:毒親との連絡手段を断つ
対策1:きょうだいに自分のスタンスを宣言する

一般的に、「親の介護は子供がするもの」という考え方が主流なので、きょうだいから批判される覚悟だけはしておきましょう。
それでも、この記事を読んでくださる方は毒親の介護をしたくないという思いの方が強いはず。きょうだいに何を言われても、自分の意思を貫いてください。
ただし、同時に、毒親が遺言を残しているなどをして、受け取れる遺産が少ない、またはほとんどないなどデメリットも想像されます。メリットとデメリットの両面で、あなたの許容範囲内で決断しましょう!
対策2:自分のできる範囲を線引きする

毒親は子供を言いなりにできると思い込んでいるので、無理な要求もすることがあります。あなたにはあなたの都合があるので、できないものは片っ端から拒否します。
できる範囲を決めたら、そこからはみ出るイレギュラー対応はしないようにしてください。一度でも毒親の無理な要求を受け入れてしまうと、それを盾にして、毒親が次々と無理な要求をしてくる可能性があります。
想像したことが実際に起こらないかもしれませんが、毒親に対してスキを作らないようにするに越したことはありません。
対策3:一人暮らしを始める

厚生労働省のデータによると、親の介護の担い手の約8割が家族とされています。
内訳は「同居の親族」が約6割、「別居の親族」が1割強。性別による比率は男性が34%、女性が66%となっているので、親と同居している女性が介護を担うケースが多いと言えそうです。

経済的な事情など、あなたの事情で実家暮らしを余儀なくされている場合は、しかるべきときに実家から飛び出せるよう準備をしておきましょう。実家を出ることに越したことはありませんが、今すぐに出なければいけない……ということでもありません。
対策4:毒親の資産を把握する

毒親が元気なうちに資産状況を直接聞いたり、銀行口座を確認したりして把握しておきましょう。このときばかりは割り切って、「親思いの子供」を演じましょう。
「財産目当てか」などと思い込んだ毒親に、暴言を吐かれるかもしれません。面倒に感じるかもしれませんが、自分のためだと割り切って対応するのが無難です。
対策5:毒親を特別養護老人ホームに入居させる

人気の施設では入居待ちがありますが、入居順は先着ではなく優先度順で決まり、部屋によっては年金だけで支払いをまかなえます。
公的施設への入居は、地域包括センターでの相談が必要です。事情を説明しておくことで、優先度が高くなる可能性があるので相談してみましょう。
対策6:毒親をサービス付き高齢者向け賃貸住宅に入居させる

高齢者向け賃貸住宅は、看護師や介護士が常駐していたり、入居者が参加できるアクティビティが充実しています。体調が急変しても対応できる仕組みがあるので、毒親が入居すれば介護に関わらなくてすみます。
ある程度まとまった貯金のある毒親なら、候補の住宅を選ぶ手伝いをするかもしれませんが、それが終われば毒親と関わらずにすみます。親から遊びに来るように要求されても、適当に理由をつけて拒否すればどうにかなります。
対策7:毒親との連絡手段を断つ(絶縁する)

法的に毒親と絶縁はできませんが、連絡手段を断ったり、所在がわからなかったりすれば、毒親が頼る候補には入りづらくなるでしょう。それでも毒親が探偵に依頼するなどで追ってくる場合は、親族関係調停申し立てなどを検討してみるのもアリです。
毒親との絶縁方法について、詳しくは下記の記事で紹介しています。絶縁を検討されている方は、ぜひ読んでできることから始めてみてくださいね。
まとめ:毒親の介護するかはあなた主体で決めよう!

上記で紹介した「毒親の介護をしないための対策」を知っておくと、毒親の介護をするとなったときに介護をしない選択をしやすくなります。
最後にもう一度、毒親の介護をしないための対策を確認してみましょう。
・対策1:地域包括センターに相談する
・対策2:きょうだいに自分のスタンスを宣言する
・対策3:自分のできる範囲を線引きする
・対策4:一人暮らしを始める
・対策5:毒親の資産を把握する
・対策6:毒親を特別養護老人ホームに入居させる
・対策7:毒親をサービス付き高齢者向け賃貸住宅に入居させる
・対策8:毒親との連絡手段を断つ
毒親の介護は突然やってきます。そのときに備えてあらかじめ対策しておくと、冷静に対応しやすくなります。
毒親の介護をするのもしないのもあなたの自由です。毒親の主張や世間の批判に惑わされず、あなたが納得できる形になるように、あなたが主体となって進めていきましょう。
「自分の親が毒親か判断しづらい」「毒親のことで相談したい」と思っている方は、TwitterをフォローしてからDMにてご連絡くださいね!